Unity for PlayStation®Mobile(以下Unity for PSM)のサンプル プロジェクト『ユニティちゃん』をPS Vitaで実行してみた。
パブリッシャー ライセンスの取得
Unity for PSMのアプリケーションをPS Vitaで実行するためには、PSMパブリッシャー ライセンス(現時点で無料)を取得する必要があある。開発に必要な手続きは「PSMデベロッパープログラム全体の流れ」のようになっており、ライセンスを申し込んでSCEの承認を受ける。
詳しくは、「PSMパブリッシャーライセンスとは何ですか?」を参照。
開発ツールのインストール
開発環境の説明や、必要なツールのリンクは、「Unity for PlayStation®Mobile (Ready for Submission)」に載っている。
開発用のPC(推奨OSはWindows 7、Windows 8)に、「Unity Editor」(Unity for PSM)、「PSM Tool Set for Unity」をインストールする。Unity for PSMはUnity 4.3.4 のカスタマイズ版で、デフォルトで「Program FilesUnity PSM」フォルダにインストールされるので、他のバージョンのUnityがすでにインストールされている環境でも問題ないようだ。
サンプル プロジェクト「ユニティちゃん」をダウンロードして解凍すると、「unity-chan-PSM」フォルダができるので、これをUnityのプロジェクト用フォルダ(デフォルトはマイ ドキュメント)に入れておく。
「PSM Development Assistant for Unity」をPS VitaのPS Storeで検索するか、PS Vitaのブラウザで「http://bit.ly/psmdevapp」にアクセスしてダウンロードし、PS Vitaにインストールする。
サンプル プロジェクトの読み込み
インストールしたUnity for PSMを起動し、「File」メニューの「Open Project」で「unity-chan-PSM」フォルダを指定すると、「ユニティちゃん」プロジェクトが開く。さらに、「File」メニューの「Open Scene」で「unity-chan-PSMAssetsUnityChanScenes」にあるシーン「Locomotion.unity」を開くと、Unity for PSMは以下のような表示状態になる。

ビルドの設定
以下の工程で開発用PCとPS Vitaとの通信の必要があるので、PS Vitaで「PSM Development Assistant for Unity」を起動して、以下の状態にしておく。また、PCとSONYのサーバーとの通信の必要があるので、PCをインターネットに接続しておく。

Unity for PSMの「ファイル」メニューの「Build Settings」を開き、「Platform」の欄で「PlayStation®Mobile」を選択し、「Open Publishing Utility」ボタンをクリックする。

すると、「Pulishing Utility for Unity」が起動します。起動しない場合、Unity for PSMを再起動するなどしてみる。
以下の1で任意の名前のパブリッシャ鍵を作成し、2でデバイス シードを作成し、3でアプリ鍵を作成する。3では、「unity-chan-PSMAssetsPluginsPSM」フォルダにある「app.xml」ファイルを指定する。
鍵の作成については、PSMドキュメントの「鍵管理」に詳しい説明が載っている。

ビルドと実行
ビルドの設定ができたら、PS Vitaで「PSM Development Assistant for Unity」が起動しているのを確認し、「Build Settings」の「Build And Run」ボタンをクリックする。

すると、アプリケーションのビルドが開始され、PSMのアプリケーション ファイルであるpsdpファイルの保存パスを聞かれるので、好きなパスを指定する。
また、鍵の更新のためにSony Entertainment Network(SEN)へのサインインを求められるので、SENのIDとパスワードを入力する。
ビルドが終了すると、psdpファイルは自動的にPS Vitaに転送され、以下のように「PSM Development Assistant for Unity」上でアプリケーションが実行される。これは、通常のPS Vitaのゲームとしてプレイすることができる。
